つなブロ

青年海外協力隊として、ナミビアの大西洋に面した街ヘンティスベイで町づくりの手伝いをしています。協力隊活動に関すること、ナミビアでの生活に関すること、自分の住む街や訪れた街に関することなどいろんなテーマについてお伝えできればいいなと思ってます。

水は役場の大事な収入源!

生きていくのに必要でとても大切な水。私の配属先であるヘンティスベイ役場はその水を管理しています。正確に言うとナミビアには国営のNam Water(ナムウォーター)という企業があるんですが、そこがダムや井戸などの水源を管理し、取水から町までの送水を担当しています。役場はそのナムウォーターから送水された水を買って町全体に配水し、料金を収集する役割を担っています。もちろん配水に伴う水道管などのインフラも役場が維持管理をしています。

 

水を住民や私企業に提供することで水道料金という形で得られる収入は役場では大きな割合を占めているんですが、ナミビアでも水道料金を支払わない人、滞納する人たちがいて、役場は彼らからの料金収集に悪戦苦闘しているんです。

 

今回はそんな水道料金収集に関する役場の仕事についてご紹介したいと思います。

 

料金を払わない人への対応①(プリペイド式水道メーター)

日本でもそうかもしれませんが、ナミビアでも水道料金を意図的に支払わない人たち、あるいは支払いが滞る人たちが少なからずいます。特に貧困層が住むエリアではそのような人が多いようです。水道料金収入は役場の大切な収入源なので、役場もそのような人たちを黙って見過ごすわけにはいきません。

 

そこで役場はまず料金滞納者の多い貧困エリアにプリペイド式(定量式)の水道メーターを導入し、確実に料金を収集できるシステムに変更しました。このシステムは住民(利用者)に事前に窓口で一定料金分の水を買ってもらい、買った料金分だけの水を提供するというものです。このシステムであれば住民(利用者)は料金を支払わなければ水を利用することができないので、必ず払うことになります。

 

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このプリペイド式の水道メーターを導入することで確実に水道料金を回収することができ、一定の効果を上げているようです。しかしながらこのプリペイド式による料金回収の方法は実はあまりいい方法ではないのですが、それについてはまた機会がある時にお話ししたいと思います。

 

料金を払わない人への対応②(閉栓止水)

通常の水道メーター(従量式)を使用している家の人で、何度催促しても支払いがない人には閉栓の対応をします。閉栓とは水を止める(使えなくする)ことです。先日技術系以外の従業員全員で閉栓が実施されました。水道部門の従業員だけでなく人事や財務などの人達も参加して実施されたのにはかなり驚きましたが、それくらい重要な事なんですね。

 

支払い一覧表を見ながら支払いが滞っている家を訪問し、家主に事情を説明し閉栓を進めていきます。やはり中には不平や不満を言う人達もいてなかなか一筋縄にはいきません。そして家主が不在の家は説明もなく強制的に閉栓してしまいます。これには結構驚きましたね。

 

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水道インフラが整備されていない不法居住エリアでの対応!

それから私たちが現在インフラ整備を進めているロケーションエリア(不法に土地を占拠し家を建てて人々が生活しているエリア)ですが、水がないと生きていくことができないので、給水スポットを設けて最近まで無料で水を提供していました。みんな一輪車を使うなどしてたくさんの空の容器に水を汲んで運んでいました。

 

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しかしながらこの給水スポットもプリペイド式の給水スポットに変更してお金を支払わないと使用できないようにしました。無料提供をやめてしまってはたしてこのエリアの人達は生きていけるのかなと思っていましたが、止めたら止めたでみんなプリペイド式の給水スポットを使用して水を汲んでいましたね。

 

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まとめ

今回は水道料金に回収に関わる役場の仕事についてご紹介しました。役場の大きな収入源となる水道料金収入ですが、その料金の回収には色々な苦労があるようです。プリペイド式水道メーターの導入、閉栓による無料使用の停止と料金支払い催促、プリペイド式給水スポットの設置など色々と試行錯誤しながら料金回収を進めています。私がカウンターパートと現在進めているロケーションにインフラを整備するプロジェクトも住民から上下水道利用料を回収するための一つの施策となっています。

 

住民から確実に各種使用料を回収することは役場事業を成り立たせる上で必要不可欠なものです。そんな料金回収に悪戦苦闘している役場の実態を今回はご紹介しました。

 

それでは、今回はこのへんで。

 

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